カタツムリ工法について
概要
建設残土、建設泥土、高含水有機質土及び河川・湖沼等の浚渫土を再利用するための無害で環境負荷も無い固化材の提供をコンセプトに開発しました。
国はリサイクルプランのなかで、建設残土や建設泥土の削減やリサイクルをするよう法的な規制が完全実施され、社会的な世相からもその推進が要求されています。
当社は、多くの企業から日々発生する産業副産物の中で、無害な無機系リサイクル材(フライアッシュ・スラグ等)の有効活用を目指し、土壌固化材「カタツムリ」を開発しました。建設現場から発生する残土や泥土と混合攪拌する事により良質な土への改良を確立し、廃棄物にすること無く再利用できると共に、従来のセメント系や石灰系の固化材以上の品質性能を確保でき、施工性・経済性そして環境負荷低減で、社会的要求も充分満足できる土壌改良剤とその施工方法を可能にしました。
特徴
リサイクルは時代の要請であり、建設における浚渫土、泥土や残土の有効活用は循環型社会の中で重要な問題であり、当社のカタツムリ工法技術は適切なリサイクル手法でゼロエミッションとして環境負荷低減に寄与し付加価値を生み出します。
現場発生土と混合することにより、早期に必要強度を発現させると共に、改良後早い段階でpHを中性域にできまた、固化材成分中の六価クロムや有害物質の含有がなく環境負荷のない改良法として有効活用できます。
「カタツムリ」を用いた土壌改良工法
無害 | 固化材は無害な材料を使用しているため、環境面で安全に施工できる。 |
---|---|
リサイクル | 産廃でなく残土処理できるため、土の現場処理と再利用による施工性と経済性の両方のメリットが大きい。 |
材料費が安価 | 従来の化学的凝固剤に比べ低コストであり、セメントに比べ添加量も少ない。 |
設備費が安い | 特殊な混合設備やプラントが不要でバッグホウ等の汎用重機で作業が可能。 |
pH値の早期中性域化が可能 | 対象土と混合した場合、早期にpH値が中性域に下がり、リサイクル用途の範囲を広げ改良土の価値を高めます。 |
高生産性 | 1日当たりの処理量は、現場で対応出来る。 |
再掘削が可能 | セメント系の固化材でないため容易に再掘削ができ、改良施工後も再リサイクルが可能。 |
植生が可能 | 固化後土壌として緑化の再生が可能。 |
防草効果 | 雑草の発芽抑制や土舗装に利用可能。 |
即効性が高い | 必要強度に対して発現時間が早く、早期に改良土とし有効に処理できる。 |
カタツムリを用いた含水比と強度の目安
【材令7日】
含水比 (%) |
添加量(kg/m³) | ||||
---|---|---|---|---|---|
50 | 100 | 150 | 200 | 250 | |
40 | 245 | 546 | 1340 | 2450 | 3590 |
60 | 226 | 418 | 980 | 1671 | 2560 |
80 | 180 | 257 | 718 | 1240 | 1890 |
施工方法
- 事前調査 ラボ試験 室内試験等。
- 現地調査 添加配合量の決定。
- 対象土量の確認―固化材配合―重機又は改良機にて攪拌。
- 固化・改良強度の確認 養生。
- 敷均・転圧やリサイクル先及び埋戻し先に運搬。
適用範囲
- 池・河川・砂防ダム等の浚渫土や有機質堆積泥土の改良。
- 軟弱地盤の改良。
- 路体・路床の改良。
- 掘削泥土・シルトの改良。
- 堤体・法面や流失土砂の改良。
改良土の用途
- 堤体や法面盛土
- 道路の路体
- 宅地造成基盤材
- 田畑への耕作基盤材や覆土
- 土舗装材
- 植生緑化の土壌資材
施工機械の種類と改良能力の目安
- バックホウによる改良 50m²~200m²
- 自走式改良機による改良 150m²~350m²
- スタビライザーによる改良 200m²~600m²